エンジニアがブログを書く/情報発信する上でおさえておきたいポイントとは?
新年度もスタートし、もう1ヶ月…時が流れる速さに戦々恐々としています。どうも、今年度このブログ
Tribal Media House Engineering Blog
の運営を担当することになりました、トライバルメディアハウス ソリューション開発部の阿部です。このブログで色々と ためになる/役に立つ/いい息抜きになる 情報をメンバー共々発信していければと思っています。
さて、2018年度1本目の記事はこれを書いておきたい!ということで、今回のお題は「エンジニアがブログを書く/情報発信する上でおさえておきたいポイントとは?」。
気軽に情報発信できる場が増えてきている中、書かないのはもったいない。ただ、闇雲に書いても 伝わらない、読まれない のは実に悲しいし気持ちが折れる…。
でも実は、ちょっと意識するだけでクオリティがぐっと上がるかもしれない。そこで、エンジニアがブログを書く/情報発信する際に、意識すると良い基本的なことをまとめたいと思います。
実はこの記事、社内の若手エンジニア向けに書いていたものになります。(少し説教臭いかも)
ただ、「心機一転、今年度こそブログ書くぞ!」という人もぜひご覧頂ければ幸いです。
まず目指したいのは 「最後まで読まれる記事」・「一人にでも役に立つ記事」
ブログを書く/情報発信する目的はいろいろあり、それによってさまざまな“良い記事”がありうる。
大量の情報が載っていれば良い記事なのか、要点だけ書いてあれば良い記事なのか…そこには様々な答えがあると思いますが、共通して「良く書けたかどうか」の基準を置くなら、以下がいいのではないか、と思っています。
- 最後まで気持ち良く読まれる記事か
- 一人にでも「役に立った!」「あってよかった!」と言われる記事かどうか
最後まで読まれ、「役に立った!」と思わせられた記事は、以下を満たせていると言えます。
- 意図した相手に、読みたいと思ってもらえた(興味をひく・内容にあっているタイトル/導入になっていた)
- 詰まらずに読み進められた(わかりづらい単語や表現が無かった)
- 読み終わって気持ちいいと思わせられた(十分な情報が載せられていた)
- また読みたい、と思わせられた
まずは 「最後まで読まれる記事」・「一人にでも役に立つ記事」 、これを目指していきたいものです。
重要なのは “ゴールの設定”・“取捨選択”・“来た道の地ならし”
それではどうすれば 「最後まで読まれる記事」・「一人にでも役に立つ記事」を書くことができるのか? 第一に重要となるポイントは ゴールの設定 と 取捨選択 と ストーリー作り 、地ならし にあります。
「① ゴールの設定」 〜ひとりよがりではない記事作り〜
エンジニアが情報発信の際についついやりがちなことが “自身の経験の羅列” 。
「自分の時はこうだったから、それを書こう」とシンプルに考えてしまいがちですが、
そのように書かれた記事には以下のような課題がありがちです。
- その時・状況でしか役に立たないメモでしかない(前提の環境が違うと役に立たない、システムの仕様変更ですぐに使えなくなる)
- 異なるスキルセットのエンジニアが読んでも、前提知識が異なり分からない
それではどうすればいいのか、それが「ゴールの設定」になります。
- 読み手が誰か(どんなスキルを持つ人なのか、どんなことに困っている人か)を明確にイメージしてみる
- 読み手が読み終わった後、どうなっているか(何ができるようになっていればゴールか)
「どんな人にどんな効果を与えたいのか」を考えることでどんな順番で話をすべきなのか、どんな補足が必要なのかが見えてくるはずです。
そう、ひとしきり読んでから「ミドルウェアのバージョン違うから、この情報使えないじゃん!最初に書いておいてよ… :( 」というあの気持ちを、他の人に味わわせてはいけないのです。
ネットの向こう側にいて、同じようなことで頭を抱えているエンジニアへ届けるように、ゴールと注意点を考えてみましょう。
「② 取捨選択とストーリー作り」 〜捨てることで、ストーリーを輝かせる〜
ゴールと気をつけたいことが決まったら、「さあ書き出そう!」という前に一呼吸。
いきなり走り出す前に「書くべきこと」「書かなくてもいいこと」を決め、それを「どんなストーリーで見せるか」を決める、そんないわば “準備体操” をすることで、より素晴らしい記事にすることができます。
『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』(Amazon)というライティングの良著がありますが、そこで紹介されている内容をベースに、私は構成を考えるにあたって以下のSTEPを踏むようにしています。
- 書こうとしている情報を、まずは“箇条書き”でメモに起こす
- 箇条書きされたそれぞれの情報を眺め、足りない情報を追加していく
- それぞれの情報を、その重要度からA・B・Cの3段階に分ける
- 思い切ってAの情報だけ取り出し、並び替えてストーリーを付ける
- ストーリーを飾る情報として、Bの情報で肉付けする
- どうしても必要なCの情報だけ、最後にトッピングする
全体を通して、いわばAの情報は“ストーリーの盛り上がりポイント”、それを強調するのがBの情報になります。Cの情報は無くてもいいものの、実はトッピングすることで物語全体が輝くこともあるかもしれません。
このステップを踏むことで、“記事の台本” とも言えるメモができたはず。これさえあれば、記事はすぐに書けるのではないでしょうか?早速書いてみましょう!
「③ 地ならし」 〜穴や出っ張りをなくす〜
台本にしたがって記事が書けたでしょうか?それでは投稿!の前に、ぜひやっておきたいのが “地ならし” です。
ゴールを決めて台本を書いてもやはりつきまとうのが、自分の経験・知識を前提にしてしまっているが故の
- “出っ張り”(書きすぎていて読みづらくなっている、理解しづらくなっている)
- “穴”(自分にとって“当たり前”だから、と省略してしまっている)
が起きてしまっていること。
ぜひ、最後のクオリティアップのために、そんな“出っ張り”や“穴”を地ならししておきましょう。具体的には以下を実施してみるのをオススメしています。
- 記事を声に出して読み上げる(誤字や表現の引っかかりに気づくことができる)
- 一般的でない略し方、表現を使ってしまっていないかチェック(迷ったらGoogle検索のHit件数で比較しましょう)
- 1晩おいて、改めて読み直してみる(別の人が書いた記事として見てみると、意外と誤字脱字に気づける)
- ディスプレイから離れて、記事の濃淡を見てみる(黒く見えるのは、漢字が多い/スペースが少ない証拠)
- 冗長になる箇所は、別記事への切り出しやリンクを検討する(長すぎる記事も、最後まで読まれない)
あとは、とにかく書いてみる!読んでもらう!
さて、ゴール決め〜書いた後のチェックまでをまとめてきました。あとはいちばん重要なこと「とにかく書く」というのを実践するのみです。
書いて、さらに読んでもらいフィードバックをもらうことで、書くプロセス・ポイントが自分の中に染み付いていくことで、発信がどんどん楽に、クオリティが上がっていきます。
いろいろと書いてきましたが、結局は「とにかく書いて、読んでもらう」が大正義なのかもしれません。(臆するよりも行動あるのみ)
最終的に「行動あるのみ!」という着地になってしまいました笑
いかがだったでしょうか?
新年度、ぜひ情報発信にチャレンジしてみて欲しいと思います。(特にトライバルメディアハウスの若手エンジニアに期待大です!)