【寄せ鍋レポート #8】千差万別のセルフブランディング術!!
こんにちは。トライバルメディアハウスの鈴木彩人(すずき あやと)です!
企業の垣根を越えてエンジニアが集まり、プレゼンやハンズオンで知識やスキルをシェアしあい交流するイベント「エンジニア寄せ鍋」。その第8回目となるイベントが、2019年1月25日に開催されました。
テーマは「これからのエンジニアのためのセルフブランディング」。
自身をブランディングすることでどのようなメリットがあるのか、具体的にどのようにブランディングしていくのかを学ぶ回となりました。
本記事では、この第8回の模様をレポートします。「これからエンジニアとして新たなチャレンジがしたい!」という方や「周りから〇〇と言えば自分と言われたい」と思っている方におすすめの内容だと思いますので、ぜひ読んでみてください!
- マーケティングのフレームワークを応用したセルフブランディング術
- “狂気の沙汰”にも感じる水玉ブランディングによって生み出されたもの
- 身近なところから始めるセルフブランディング
- セルフブランディングのきっかけを掴む場づくり
- コミュニティとブランディングの意外な関係性
- 今回の寄せ鍋イベントのまとめ
- 次回の開催は5月テーマは「プロダクトマネージャーの仕事」!!
※ 関連リンク
エンジニア寄せ鍋第8回 Compass イベントページ
エンジニア寄せ鍋の紹介はこちら
tech-tribalmedia.hatenablog.com
マーケティングのフレームワークを応用したセルフブランディング術
イベントのスタートとなるイントロダクショントークでは、トライバルメディアハウス(以下、トライバル)で、オンラインコミュニティプラットフォーム「cocosquare」などの開発を担当しながら、“音楽・エンターテイメント×テクノロジー”をテーマとしたメディア「BAKERY/ベーカリー」の編集長も務める 阿部 祐輝が登壇。
このトークでは、今回のテーマであるセルフブランディングが「なぜ今、エンジニアにとって重要なのか」という視点で、「マーケティングの考え方をエンジニア個人に適用するセルフブランディング術」をプレゼンテーションしました。
それではどのようにブランディングをしていけばいいか、という問いに対して、阿部は「マーケティングのフレームワークを個人に置き換えてみてはどうだろうか」と提案します。マーケティング戦略を考える上での流れを整理しながら、それを個人に当てはめて考えてみると……という展開でプレゼンテーションは進んでいきます。
「マーケティングのフレームワークの対象は “会社” や “ブランド” ですが、それを自分自身に置き換え、分析することで様々な気づきを得ることができると感じています。」と語り、ブランディングの各フェーズを個人に置き換えて考えると、どのような気付きが得られるかをいくつかピックアップしながら紹介していく阿部。マーケティングフレームワーク「VRIO分析」の例では、阿部はこのように語っています。
※「VRIO分析」とは、企業が持っている経営資源の競争優位性を、『価値(Value)』、『希少性(Rarity)』、『模倣可能性(Imitability)』、『組織(Organization)』の4つの視点で測るフレームワーク
「 自身のスキルは経済価値があるのか、そのスキルは希少か、そのスキルは真似しづらいか、そのスキルを継続して伸ばし活用していく姿勢があるのか。VRIO分析を個人に当てはめ、このように自分自身を分析すると、集中すべきポイントや目標を設定しやすくなるのではないでしょうか。」
私は目標を立てたり、自己分析することが苦手なのでVRIO分析を使用して自身のスキルを分析して目標立てしてみようと思いました。
またプレゼンテーションの終盤では、発信することの重要性の一つとしてこのように語っているのが印象に残りました。
「発信することは、やりたいことを自分の中に染み込ませることができる、という側面もあると思っています。
発信をするためには、その物事にアンテナを立てて調べる必要がある。アンテナを立てる習慣によって、やりたいことに関する情報を自然と集められるようになります。」
情報発信のメリットを聞き、私もブログを書いて情報を発信し、自分のやりたいことを示していこうと強く感じました。
ブランディングの定義と手法、情報発信の大切さを踏まえて、次のライトニングトーク(以下、LT)のパートに入っていきます。
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“狂気の沙汰”にも感じる水玉ブランディングによって生み出されたもの
LTパートのトップバッターは、株式会社ロックアップ 代表取締役社長の長尾 純平さんです。
自身のブランドを形成するために長尾さんが活用しているのが「水玉柄」。この「水玉」を長尾さんは“焼印”と表現します。どのような意図で、どういう風に活用してきたのか、長尾さんのブランディングに対する考え方や実践されていることについて詳しくトークしていただきました。
この日も特徴的な”水玉柄”の服を身につけ登壇された長尾さん。メディアに露出する際はもちろん、驚きなのはクライアント先の偉い人と打ち合わせする際も水玉がプリントされた服を着ることが多いということ。このことについて、長尾さんはこのように語ります。
「水玉の服装で打ち合わせにいくと、第一印象はあまり良くないのですが、仕事はきちんとするのでプラス評価が普通の人よりも一つ上の段階でつけられることが多いです。
“普通の人が良いことをするとき”と、“不良の人が良いことをするとき”の周りからの評価の違いと一緒ですね。」
印象的な服装によって、相手に自分自身を強烈に覚えてもらい、さらにそのことで生まれる“不”の面すらも、より高い評価に繋げられる、という考え方。とても勉強になります。
続けてブランディングの手順についてこう語りました。
「自分の焼印を決め発信し続ける→周りから興味を持ってもらう→一緒に仕事をして期待以上の成果を出す。
このサイクルを繰り返すことで、信頼と安心、ブランドロイヤリティが発生し、そのまま自分のキャリアになりブランディングの糧になっていきます。」
また、“セルフブランディングするにあたって意識してほしいこと”としてこのような観点を伝えてくれました。
「“自分自身が発信したい内容”と“相手が認識する内容”がずれてしまった場合、これはブランディングの失敗であり、仕事の損失に繋がります。
対外評価と自己評価が一致していることがセルフブランディングにおいて大切です。」
今回のLTを通して、自分も何か焼印を持たねば! と強く感じました。私はバナナマンが好きなので、バナナマンTシャツを着てセルフブランディングしてみようと思います!
みなさんはどんな焼印でセルフブランディングしますか?
ちなみに長尾さんレベルのセルフブランディングが確立すると、様々な人から水玉の食器や水玉のシャツを着払いで送られてくるそうです(笑)。
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身近なところから始めるセルフブランディング
LTパートの2人目は株式会社自転車創業 取締役兼CTOの幸 龍太郎さんです。
セルフブランディングの重要性を、幸(さいわい)さんご自身が現在の会社で勤めるまでのエピソードを交えてトークしていただきました。
CTOを務める幸さんは、セルフブランディングがもたらす効果についてこのように語っています。
「セルフブランディングすることにより、サービスを知ってもらえるチャンスが増えます。
サービスの認知が広がった後、ユーザーに使ってもらい、フィードバックをもらうことができます。また仕事の仲間を集める上で、セルフブランディングは欠かせないものと考えています。」
「そのため、ブランディングにはPRが欠かせなく、発信することが大切なのでSNSなどのアウトプットが重要です。」
幸さんはそこから、自分の社会人人生を「Javascriptのチェーンメソッド」で例えるユニークなプレゼンテーションで、参加者の興味をひいていきます。
特に私としては、幸さんがエンジニアになったきっかけが印象的でした。
「コールセンターのバイト時代に、社内でPCが得意な人と認知されたんですね。そのおかげで顧客管理システム手伝ってみない? とチャンスをもらえました。」
ちょっとした認知が、大きな仕事のチャンスをもらえるきっかけになるのだと驚きを感じました。
私は今年社会人2年目になりますが、社内で「彩人といえばコレだよね!」と言われるような認知は作れていないと感じています。
今回、幸さんのLTをお聴きし、自身の得意分野を見出して、少しづつ社内に発信してみようと決心しました。
そして幸さんのように、自分の得意分野の仕事を任せてもらえるようにセルフブランディングを続けたいと思います。
得意分野の仕事を任せられるほど楽しいことはないですからね!
セルフブランディングによって自身の人生にチャンスを与える機会が大きく変わることを気付かされたトークでした。
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セルフブランディングのきっかけを掴む場づくり
LT3人目は、トライバルでマーケティングツール「cocosquare」のプロダクトマネージャーを担当しており、エンジニア寄せ鍋の幹事も務める柿沼 信孝です。
柿沼自身が今までセルフブランディングを意識したことはなかったそうですが、今回のテーマで話す内容を振り返ってみたところ、実は「場作り」でセルフブランディングしていたと気づいたそうです。
冒頭に自己紹介とLTのテーマについて話した後、セルフブランディングをするきっかけやメリットについてお話ししました。
「ブランディングのきっかけ作りとして、自分で勉強会を主催することをおすすめします。
勉強会の場をオーガナイズし、自分が得意なことを少しずつブランディングすることができるため、セルフブランディングするのに効果的です。」
「さらに勉強会の場に社内の人や知り合いが参加していると『この人、こんなスキルも持っていたのか』という再認知にも繋がります。
また、再認知されることで、案件の相談が増えたり、他の案件に役立つような知識を新たに得たりすることができます。
そして、得た知識を用いて本業に活かすことができ、チャンスが増え仕事が選びやすくなるメリットが生まれます。」
自分が場をコントロールしやすい状況を作り、セルフブランディングを行うという合理的な考え方がとても勉強になりました。
私も何か得意なことを発信するために勉強会などを主催し、社内認知を広げてみようと思います。
プレゼンテーション終盤、トークのまとめを以下のように語りました。
「大切なことは、ブランディングする前の細かい根回しと自分のブランドを発信することができる場づくりです。」
幸さんのトーク同様、自分の得意なことを周囲が認知することで、チャンスがもらえる機会が格段に増えることは確実、と学びました。
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コミュニティとブランディングの意外な関係性
最後のLTは、マネーツリー株式会社のソフトウェアエンジニア コービング ロン (Ron Korving) さんです。
ロンさんのLTでは、「OSS(オープンソースソフトウェア)」である Node.js へのコントリビューションをきっかけに得たコミュニティの方々とのつながり、そしてセルフブランディングへの考え方についてトークしていただきました。
LTは、ロンさんのインパクトのある自己紹介から始まります。
「私はNode.jsファイルシステムの書き込み速度を100倍速くした奴だ!」
会場が拍手に包まれてスタートしたLTは初めてだったかもしれません……!
当時、携わっていた業務にNode.jsが一番適していると判断したロンさん。
しかし、当時のNode.jsはスループット(一定時間あたりのデータ処理能力)がかなり低かった。そこでOSSである Node.js の改修を決心したそうです。
コントリビューションまでの道のりを紹介してくれるロンさん。OSSへのコントリビューションというと敷居が高く感じますが、Node.jsの改修を達成したロンさんは、このように語っています。
「私が天才だからできた、ということではないです。Node.jsに対するPassionがあったためモチベーションを保ち続けることができました。さらに、最初は高いスループットを出せない実装でしたが、コミュニティの人が協力してくれたため、改修が成功しました。」
これまで私は、OSSは敷居が高く、完璧な実装を求められているものだと思っていました。
しかし、ロンさんのトークを聞いて、「OSSは気軽にコントリビューションして、コミュニティの人たちと協力しながら実装していくものなんだ」と気づかされました。
最後に今回のトークとセルフブランディングの関係性をこのように語りトークが終了しました。
「セルフブランディングは目的ではなく結果の一つ。
あなたのPassionに合ったコミュニティを見つけ、アクションを起こし続けることでブランディングは自動的にされていくものです。」
私は明確なセルフブランディングの目標が立てられていないため、まずは自分に合ったコミュニティを探すことから始めてみようと思います。
そして、コミュニティで行動を起こし続けて、セルフブランディングを確立してみます。
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今回の寄せ鍋イベントのまとめ
セルフブランディングの重要性や手法、コツをそれぞれの登壇者の視点で語られた今回のエンジニア寄せ鍋。私自身とても勉強になるイベントとなりました。
ちなみに、LT後の懇親会も過去最高の盛り上がりに。
技術の話や情報をどのように収集しているのかなど、積極的に意見交換している参加者が非常に多かったです。
今回の寄せ鍋では、登壇者全員が「情報を発信することは非常に大切」と話していたことが印象に残りました。
セルフブランディングと情報を発信することは非常に深い関係があることを学べた寄せ鍋でした。
この記事を読んだ皆さんも、どんなことでもいいのでまずは情報発信をしてセルフブランディングしてみてはいかがでしょうか。
次回の開催は5月テーマは「プロダクトマネージャーの仕事」!!
第9回のエンジニア寄せ鍋は5/31(金)に開催が決定しています。テーマは「プロダクトマネージャーの仕事」!
ご参加をお待ちしております!
「トライバルメディアハウスのプロダクトマネージャーの仕事 #エンジニア寄せ鍋#9」の詳細と申し込みはこちら